江戸の文化に見られる 様々な勝負の瞬間 | 信州小布施 北斎館

江戸の文化に見られる 様々な勝負の瞬間2024年3月29日

 北斎館で開催中の企画展「いざ、勝負!」の展示期間も残りわずかとなりました。この企画展では、勝負事をテーマにした北斎の作品をご紹介しています。皆さんは、「勝負」というと、どんなことを連想しますか?

 勝負の一瞬とは、英雄たちの歴史的な一戦や迫力ある戦闘シーンだけとは限りません。
今回は少し違った角度から「勝負」を描いた作品をご紹介します。

『北斎漫画』十二編 籠の渡り


 険しい断崖絶壁に渡した一本の綱。そこに架けられた籠に乗り、重さでたわんだ綱を伝っていく人物がいます。雲よりも高い場所を渡っていくその姿は、恐怖心との戦いを描いているといえそうです。
 もう一つの作品は、コミカルです。棒を手にして何やら喧嘩している男たち。その二人を止めようとした数人の男たちも巻き添えを食らっています。

『北斎漫画』十五編 男たちの喧嘩


 そのどさくさに紛れて、カツオをくわえて飛んでいく鳥が描かれています。画面の右端には、それを悔しそうに見ている男。カツオは勝負事に強い男を連想させる「勝男」の語呂合わせで有名ですが、鳥と武士のカツオをめぐる争いは、鳥に軍配が上がったようです。
 
 男たちとの喧嘩と、鳥と武士の争いという二つの出来事を交差するように描いた構図が面白い作品でもあります。

 これらの他にも、江戸の文化の中に見られる様々な勝負を描いた作品を展示しています。ぜひこの機会にご覧ください。


いざ!勝負
▼会期:2024年1月20日(土)〜2024年3月31日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:会期中無休
(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)

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