この秋からはじめる江戸時代の摺物の楽しみ方 | 信州小布施 北斎館

この秋からはじめる
江戸時代の摺物の楽しみ方2023年9月22日

 北斎館で開催中の企画展「知られざる至極の木版画 摺物」では、貴重な摺物コレクションの数々をご紹介しています。摺物とは、趣味人が資金を出して絵師や彫師、摺師らに直接注文した、いわば特注品。販売目的ではないがゆえに、流行にとらわれない多様なモチーフが描かれ、小さなものから大きなものまで様々な判型の作品が残っています。

菱川宗理「宝船」


 こちらは、北斎の弟子・菱川宗理による摺物です。大船楫取(おおぶねのかとり)という狂歌師が、所属する狂歌グループの指南役に就いたことを記念して製作された作品です。作品の下段には、楫取自身も含めて26人の狂歌師の歌が書かれています。

 販売が目的ではない摺物は、摺られる部数が限定的で、今日まで残る作品は多くありません。この作品も、現在、世界で1点しか確認されていない貴重な作品です。

 北斎館の摺物コレクションの大部分を占めるのが、狂歌師が注文主になった狂歌摺物という作品群です。機知に富んだ言い回しや諧謔みが盛り込まれた和歌である狂歌は、江戸時代に流行しました。狂歌師たちは連と呼ばれるグループをつくり、指南役である判者を選び、自分たちの歌を評価し合いました。

企画展とあわせて、9月23日(土・祝)、10月7日(土)、11月4日(土)14時〜、学芸員によるギャラリートークも予定しています。よろしければ、こちらもご参加ください。

知られざる至極の木版画 摺物
▼会期:2023年9月2日(土)〜2023年11月12日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:なし
(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)

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