怪しいけれど、コミカル! 北斎が描いたあの妖怪とは? | 信州小布施 北斎館

怪しいけれど、コミカル! 北斎が描いたあの妖怪とは?2023年3月18日

 北斎館で開催中の企画展「あなたは信じる? 摩訶不思議」では、北斎が描いた妖怪や幽霊、奇談などを中心とした摩訶不思議な世界にスポットを当てています。

 その中でも、北斎が挿絵を担当した『北越奇談』は、越後(現在の新潟県)で現地の人が見聞きしたり、体験したりしたと伝わる怪異現象をまとめた随筆書です。

 例えば、現在の新潟県の燕三条市の南の山麓に位置する入方村付近では、囲炉裏の隅や石臼の穴に竹棒をさし、火を近づけると、ボンと音を立てて一尺(約30センチ)ほど炎を上げたといいます。

『近世怪談霜夜星』より「刀に喰らいつく怨霊」


 さらに、怨霊の隣では着物の帯を嫉妬や恨みの象徴である蛇に見立てて描くことで、不気味さがよりいっそう増しています。

 一方、北斎は怪しい妖怪をコミカルにも描いています。北斎漫画に描かれたこちらの男性は素知らぬ顔で棒に腰掛け、お尻を出しながら煙草をふかしています。一体何をしようとしているのでしょう?

『北斎漫画』より「河童」


 この男性の下で水面から顔を出して様子を伺っているのは、河童です。河童は人間のお尻の中にある尻子玉という玉が好物であるといわれていて、今まさにそれを取ろうと狙っているところのようです。男性は河童に気づかないふりをして、自分のお尻を餌に河童を仕留めようとしています。恐ろしくもありますが、その様子がユーモラスに描かれています。

これらの作品を展示している企画展「あなたは信じる? 摩訶不思議」の開催期間も残りわずかとなりました。この機会に、北斎が描く様々な摩訶不思議な世界をぜひ味わっていただければと思います。


あなたは信じる?摩訶不思議
▼会期:2023年1月21日(土)~2023年3月26日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:なし
(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)


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