信じるかどうかは読む人次第・・・ 摩訶不思議な現象の数々 | 信州小布施 北斎館

信じるかどうかは読む人次第・・・
摩訶不思議な現象の数々2023年3月24日

 北斎館で開催中の企画展「あなたは信じる? 摩訶不思議」では、北斎が描いた妖怪や幽霊、奇談などを中心とした摩訶不思議な世界にスポットを当てています。

 その中でも、北斎が挿絵を担当した『北越奇談』は、越後(現在の新潟県)で現地の人が見聞きしたり、体験したりしたと伝わる怪異現象をまとめた随筆書です。

 例えば、現在の新潟県の燕三条市の南の山麓に位置する入方村付近では、囲炉裏の隅や石臼の穴に竹棒をさし、火を近づけると、ボンと音を立てて一尺(約30センチ)ほど炎を上げたといいます。

『北越奇談』より「火井」


 それを不思議がって見物に来る人々も多かったそうです。その原因は、石油の原油である臭水油(くそうずあぶら)がわき出たことだと考えられますが、当時の人々には摩訶不思議な現象に見えたことでしょう。北斎も興味があったようで、『北斎漫画』でも同じような現象を描いています。

さて、もう一つのお話も描写が具体的です。ある夏の夕方、新潟県の海辺の近くを流れる西川で、この川を挟む二つの村の若者たちが遊泳を楽しんでいたときのこと。得体のしれない二尺(60センチ)くらいのものが頭上を浮遊し、くねりながら奇妙な音を出したといいます。若者たちが釣竿や小竹で叩こうとしたが命中せず、しばらくするとそれは消えていったといいます。

『北越奇談』より「空中に動く正体不明の怪」


こちらの挿絵は、北斎ではなく著者の橘崑崙自らが描きました。若者たちが目撃したと いう物体は正体不明。若者たちの頭上に小さく描かれたものが、その物体のようです。

 他にも、夜な夜な人里に現れる山男の話や、海を漂う幽霊船など、コミカルなお話からゾッとするお話まで内容も様々です。当時の人たちの話を信じるかどうかは、読む人次第。今回の展示では1話ごとに描かれた挿絵とともにお楽しみいただけます。


あなたは信じる?摩訶不思議
▼会期:2023年1月21日(土)~2023年3月26日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:なし
(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)


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