館長インタビュー vol.2 『研究で見えてきた応為の作風とは』 | 信州小布施 北斎館

館長インタビュー vol.2 『研究で見えてきた応為の作風とは』2022年10月28日

 北斎館で開催中の企画展「秋のお宝大放出―北斎館名品展―」にあわせて、3回にわたってお届けする、北斎館館長・安村敏信へのインタビュー。
2回目となる今回は、北斎やその娘である応為の研究の動向についてうかがいました。


―今回の企画展では、北斎が描いた名品の数々が展示されていますが、北斎の娘の応為の作品なども展示されていますね。

今回は、二枚折りの貼り交ぜ屏風に花を描いた応為の肉筆画を展示しています。応為の肉筆画は、世界で数点しか発見されていないので、非常に貴重な作品です。応為のサインがありますし、花の描き方も応為らしいなと感じます。

「百合図」


他の美人画に描いた花もそうですが、応為は、花についてはわりと淡々と描くんです。
一方、光と影を捉えることは抜群にうまい。
メナード美術館が所蔵する「夜桜美人図」という作品には、夜空の下で短冊を描く女性が描かれています。そこには満点の星が描かれているのですが、星の等級による明るさの違いまで描いているんです。
やはり、絵師として光への関心が強かったのでしょう。

―何をどう描くかで、絵師としての関心の違いも見えてくるんですね。

そうなんです。
応為というと、北斎の手伝いをしていたイメージが強いですが、北斎とは違う関心をもった独自の絵師として見た方がいいと思います。北斎の作品には、影はほとんどありませんしね。今、北斎のサインがある作品の中で、応為がどの作品に参加したのかを探る研究が進んでいます。

―まだまだこれから新しい事実がわかってくるかもしれないのですね!

そうですね。
さらに、北斎も新しい肉筆画が毎年のように見つかっています。特に戦時中に疎開して、そのまま地方の蔵に眠っているというケースも多いんです。これから新しい作品が見つかる可能性があるのも江戸時代の絵画の特色ですね。

―今後も、北斎研究の新しい動向に注目していきたいと思います。次回は、安村館長のおすすめ作品をご紹介します。

秋のお宝大放出―北斎館名品展―
▼会期:2022年9月3日(土)~2022年11月13日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:なし(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)


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