冨嶽三十六景にみる 江戸のお仕事事情とは? | 信州小布施 北斎館

冨嶽三十六景にみる 江戸のお仕事事情とは?2022年8月29日

北斎館で開催中の企画展「わくわく! WORK」の会期も残りわずかになりました。今回の企画展では、江戸時代の様々な仕事にスポットを当てて北斎の作品をご紹介しています。

こちらは、夕暮れの隅田川を渡る船を描いた作品。座るスペースがないほどに混み合う渡し船は、現代の通勤電車さながらです。

冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見


 絵の中央には、長い竿を持った人も描かれています。いったい何の仕事をしている人でしょうか?

実は、この長い竿は小鳥を捕まえるための道具。
竿の先に樹液などから作られた粘り気のある「鳥もち」をつけて、小鳥を捕獲します。江戸時代には、飼育用や鷹狩りのエサ(!)として小鳥を獲ることを生業にする鳥刺という仕事があったのです。
その他にも、服装や持ち物から、行商人や按摩など様々な職業の人が乗り合わせていることがわかります。


 同じ冨嶽三十六景のシリーズの「常州牛堀」では、船で働く人たちの生活を垣間見ることができます。

冨嶽三十六景 常州牛堀


江戸へ物資を運ぶための川船は、長旅に備えて船内に炊事場を備えていました。この絵の中には、米のとぎ汁を川に捨てている人が描かれています。その音に驚いたのか、二羽の白鷺が飛び立っていきました。

いつもは風景画として鑑賞している作品を、仕事という視点に着目して見ると、新しい発見があるかもしれません。作品の中に描かれた様々な仕事をぜひ見つけてみてください。


わくわく!WORK
▼会期:2022年6月18日(土)~2022年8月28日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:なし(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)


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