馬琴と北斎 二人の関係性とは? | 信州小布施 北斎館

馬琴と北斎 二人の関係性とは?2022年5月2日

 読本の挿絵を数多く描いた北斎。その作品と共に、作者との様々なエピソードが残っています。

 読本では、作者が下絵のイメージを描き、絵師がその下絵どおりに挿絵を描くのが一般的です。
しかし、北斎は下絵の通りには描かず、自分なりにアレンジして描いてしまうこともありました。『三七全伝南柯夢』では三勝が持つ三味線を北斎が勝手に胡弓へ変えてしまうということも……。

『三七全伝南柯夢』より「三勝、絃歌を売る」


 北斎とタッグを組み、数々の作品でヒット作を生み出した馬琴は、そんな北斎の性格をしっかり理解していたようです。

ある馬琴の手紙には「北斎は本文に合う絵を素直に描かないので、あらかじめ右の人物を左に、左の人物を右に配して下絵を渡した」と、馬琴流の北斎の扱い方を書き残しています。

 北斎と馬琴はお互いの実力を認め合いながらも、挿絵についての意見が合わず、喧嘩することもしばしば。
『占夢南柯後記』では、馬琴が草履を口にくわえる下絵を描いたことに北斎が反発。 「誰がこんなものくわえるものか、そこまで言うならお前がくわえて見せろ」と大喧嘩になり、絶交してしまったといいます。

『占夢南柯後記』より「半七の危機に姉のお通が立ち向かう」


 北斎館で開催中の企画展「読本が結ぶ縁 ―馬琴と種彦―」では、北斎が描いた読本の挿絵を展示し、その作者と北斎にまつわるエピソードもご紹介しています。様々なエピソードから垣間見える北斎の人間らしい姿を、作品と共にぜひお楽しみください。

「読本が結ぶ縁 ―馬琴と種彦―」
▼会期:2022年4月2日(土)~2022年6月12日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:なし(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)

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