暑さも吹き飛ぶ!? 北斎の怪しい浮世絵たち | 信州小布施 北斎館

暑さも吹き飛ぶ!? 北斎の怪しい浮世絵たち2021年7月14日

 江戸時代、人々の間では怪談や不気味な言い伝えを題材にした読本が人気だった。北斎が挿絵を手がけた『北越奇談』も、現在の新潟県などの北越地方の不思議な現象や言い伝えを集めた読本だ。

 その中に、こんな話がある。
ある日、男が釣りに出かけた。三畳ほどの岩場を見つけたので、そこで釣りをしようと腰かけた。しばらくして、川の向こう側の釣り人が男に早く帰れと仕草をして、逃げるように帰ってしまった。
男は釣り人を追いかけて、どうしたのかと尋ねると「お前さんの座っていた岩には両目があり、時折あくびをしていた」と言う。後日、男が同じ場所に行ってみると、自分が座っていた大岩はなかったという。

 さて、この大岩の正体は何だったのだろうか。その答えは、絵の中に隠されている。

大蝦蟇の怪の挿絵


同じく『北越奇談』の中に、「亀六泥亀の怪を見て僧となる」という挿絵がある。
新潟に、すっぽん料理屋を営む亀六という男がいた。その料理屋では、毎日数百匹のすっぽんを殺して料理していた。
ある夜のこと、亀六は急に体が重くなり、寒気がして震えが止まらず、声が出せなくなった。

ようやく手を伸ばしてあたりを探ると、そこには…。

亀六泥亀の怪を見て僧となる


 これらの作品は、北斎館で開催中の企画展「あやしい浮世絵」でご覧いただくことができる。様々なあやしさを放つ作品の数々をぜひお楽しみいただきたい。


「あやしい浮世絵」
▼会期:2021年6月19日(土)~8月29日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円
▼休館日:なし

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