怖いもの見たさの心理をつく、 北斎の浮世絵 | 信州小布施 北斎館

怖いもの見たさの心理をつく、 北斎の浮世絵2021年6月30日

 北斎館では、6月19日(土)から企画展「あやしい浮世絵」が始まった。この企画展では、北斎作品の「あやしさ」にスポットをあてている。


皆さんは「あやしい」と聞くと、どんなものを思い浮かべるだろうか。気味が悪くて恐ろしいものを思い浮かべた人もいるだろう。怖いけれど、知りたい。そうした気持ちは江戸時代の人たちにも共通していたようで、庶民の間では怪談や不気味な言い伝えを題材にした版本作品が人気だった。それらの物語の挿絵を多く手がけたのが北斎だ。例えば、『椿説弓張月』にはあやしい悪役や恐ろしい生き物が次々と登場する。

『椿説弓張月』


一方、版本作品の中には、かわいらしいあやしさを描いたものもある。『北斎漫画』の中に登場する人魚、河童、お化けなどは、どこかコミカルな雰囲気を漂わせている。中でも、「船鬼(ふなゆうれい)」は海の上で釣り人を襲って驚かす亡霊だというが、にっこり笑った表情がかわいらしい。


『北斎漫画』船鬼


 北斎は人々の怖いもの見たさを満たすかのように、さまざまなあやしさを描いた作品を発表している。今回の企画展では、恐ろしさ、不気味さ、不思議さなど、さまざまな「あやしさ」を放つ北斎の作品をご覧いただくことができる。ぜひ北斎のあやしい浮世絵の世界に足を踏み入れてみてほしい。


「あやしい浮世絵」
▼会期:2021年6月19日(土)~8月29日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円
▼休館日:なし

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