展示作品紹介「潮干狩り」 | 信州小布施 北斎館

展示作品紹介「潮干狩り」2019年5月25日

こんにちは。学芸員のWです。暑い日が続きますね。
信州は涼しいと思われがちかもしれませんが、しっかり暑いです。
というわけで、本日は、現在展示中の作品の中から、涼しい気持ちになれそうなものをご紹介します。



今回は、「潮干狩り」という作品をご紹介します。
題の通り、潮干狩りをする人々の姿が生き生きと描かれています。
遠景に富士の高嶺を望み、三保の松原と思われる松が描かれた場所ですので、駿河湾のどこかの湾岸風景ではないかと推測できます。

手前の干潟に描かれているのは、浜辺に集う人々と、彼らと戯れるように跳ねる水飛沫。
その向こうには、穏やかな海と、静かにそびえ立つ富士山が描かれています。
干潟の賑やかな雰囲気と、入江の静寂との対比が見事ですね。
また、その対比を際立たせるかのように、海の色も手前の濃紺から奥の薄藍へ、美しいグラデーションになっています。

よく見ると現代の潮干狩りとは使われている道具が違ったり、「弁才船」と呼ばれる船が描かれていたり、当時の生活風俗を垣間見ることができる、という点でも楽しい作品です。

「潮干狩り」をはじめ、現在展示中の作品の展示期間は6月9日(日)までとなっております。直接ご覧になりたい方はお急ぎください!

カテゴリー:学芸員のつぶやき

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