北斎は、植物たちをどう見ていた? | 信州小布施 北斎館

北斎は、植物たちをどう見ていた?2024年11月1日

 開催中の企画展「北斎の植物図鑑」では、北斎が描いた様々な植物たちをご紹介しています。中でも『北斎漫画』には、多様な植物をまとめたページが多く見られ、北斎が植物の世界に強い関心をもっていたことがわかります。葉脈まで丁寧に観察して精密に描き、まるで植物図鑑の1ページのようです。

『北斎漫画』八編「三角草・黑百合など」


 一方、同じ『北斎漫画』の中でも、植物をデザイン的に捉えて描いていることもあります。このページに描かれたさまざまな花たちは、このまま着物などの模様に写しとることができそうな描きぶりです。今回の企画展では、植物たちが北斎の目にどう写り、どのように描かれたか、ぜひ注目してみていただければと思います。

『北斎漫画』十三編「さまざまな花」


 さて、最後にご紹介するのは、同じく『北斎漫画』に描かれた「秋田の蕗」という作品です。画面に収まりきらないほど背が高いアキタブキ。雨の中、旅人はその大きな葉を蓑の代わりにして歩いています。

『北斎漫画』七編「秋田の蕗」


 北斎らしいユーモラスな誇張表現の一つかと思いきや、アキタブキは北海道・東北地方に生育するフキの一種で、実際に草丈が2メートルに達することもあるそうです! 江戸時代に秋田藩主がアキタブキの巨大さを諸大名に証明するために、早飛脚で江戸まで運ばせたことがあるのだとか……。その大きさに、北斎もきっと驚いたにちがいありません。




「北斎の植物図鑑」展
Hokusai’s Botanical Atlas
▼会期:2024年9月4日(土)〜2024年11月10日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:会期中無休
(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)

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