進化を続けた北斎の「波」2024年8月2日
今年7月、お札のデザインが一新されました。皆さんは、新紙幣をお手に取られましたか? ぜひ注目していただきたいのは、新千円札の裏面です。そのデザインに、北斎の代表作の一つである「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が採用されました。
この作品において特徴的なのは、波の表現です。北斎は何十年にもわたって、様々な作品に波を繰り返し描き、その表現方法を変化させてきました。38歳頃の北斎が描いた「江島春望」は、その原点ともいえる作品です。この時すでに、波の向こうに富士山が見える構図を描いていました。
その後の『鎮西八郎為朝外伝 椿説弓張月』では、船や人をのみ込もうとする波を臨場感たっぷりに描きました。連続して押し寄せる波の激しさが伝わってきます。
やがて70代に至った北斎は、「神奈川沖浪裏」において波の表現の頂点を極めます。しかし、そこで北斎の波の進化は止まりませんでした。80代で小布施を訪れた北斎は、祭屋台の天井絵として「男浪」「女浪」を描きました。これまでの風景画とは異なり、波そのものを印象的に描いたこれらの作品で、波の表現は進化の極地に至ったのです。
北斎館で開催中の企画展「新紙幣発行記念 北斎進化論」では、今回ご紹介した作品の他にも、北斎の表現の変化が感じられる作品をご紹介しています。北斎がたどった進化の足跡を、ぜひご覧ください。
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「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
この作品において特徴的なのは、波の表現です。北斎は何十年にもわたって、様々な作品に波を繰り返し描き、その表現方法を変化させてきました。38歳頃の北斎が描いた「江島春望」は、その原点ともいえる作品です。この時すでに、波の向こうに富士山が見える構図を描いていました。

『柳の糸』「江島春望」
その後の『鎮西八郎為朝外伝 椿説弓張月』では、船や人をのみ込もうとする波を臨場感たっぷりに描きました。連続して押し寄せる波の激しさが伝わってきます。

『鎮西八郎為朝外伝 椿説弓張月』
やがて70代に至った北斎は、「神奈川沖浪裏」において波の表現の頂点を極めます。しかし、そこで北斎の波の進化は止まりませんでした。80代で小布施を訪れた北斎は、祭屋台の天井絵として「男浪」「女浪」を描きました。これまでの風景画とは異なり、波そのものを印象的に描いたこれらの作品で、波の表現は進化の極地に至ったのです。
北斎館で開催中の企画展「新紙幣発行記念 北斎進化論」では、今回ご紹介した作品の他にも、北斎の表現の変化が感じられる作品をご紹介しています。北斎がたどった進化の足跡を、ぜひご覧ください。
新紙幣発行記念 北斎進化論
Hokusai‘s Evolution
Commemorating the Release of New Japanese Banknotes
▼会期:2024年6月15日(土)〜2024年8月18日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:会期中無休
(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)
Hokusai‘s Evolution
Commemorating the Release of New Japanese Banknotes
▼会期:2024年6月15日(土)〜2024年8月18日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:会期中無休
(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)
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