学芸員のつぶやき 「富士越龍」 | 信州小布施 北斎館

学芸員のつぶやき 「富士越龍」2018年8月26日

皆さんこんにちは。学芸員のKです。

次回展覧会に向けて、次の展覧会に展示予定の作品を「学芸員のつぶやき」コーナーで少しずつご紹介していきたいと思います。

 

今回ご紹介するのはこちら!

「富士越龍」

富士山を取り巻く黒い雲の中を、龍が天を目指し昇っていきます。

右下の落款には「九十老人卍筆」と書かれており、葛飾北斎の最晩年に描かれた作品です。

 

 

北斎は晩年に、こんな言葉を残しています。

「九十歳になれば奥義をきわめ、百歳では神の域を超えるのではないか。百何十歳になれば、一点一画が生きているかのようになるだろう」 

[「富嶽百景 初編」 跋文より]

 

 

黒雲を呼び、昇天する龍の姿からは、画業の高みへともっと昇りつめたいという北斎の最晩年の心境がうかがえます。

 

 

北斎館ネットショップでは、富士越龍のオリジナルアイテムを取り扱っております。

カテゴリー:作品について

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