「文化遺産ではなく、文化をつくる」 北斎館が目指すビジョンとは?理事長インタビュー 前編 | 信州小布施 北斎館

「文化遺産ではなく、文化をつくる」 北斎館が目指すビジョンとは?理事長インタビュー 前編2024年4月26日

 2026年に50周年を迎える北斎館では、さらなる飛躍を目指すために新たな取り組みが次々と始まっています。北斎館の今後のビジョンについて、理事長の市村次夫さんにお話を伺いました。

北斎館理事長の市村次夫さん(男浪のダウンジャケットを着用)



―50周年の節目を間近にした北斎館ですが、これからのビジョンを教えてください。

市村:北斎館は第二段階が始まったところだと思っています。2017年から安村敏信さんに館長をお願いし、学芸員の人材育成に力を注いでもらいました。企画展の内容を見ても、その成果が出つつあると思っています。
 そして、北斎館がどうあるべきかを考えたときに、北斎の作品を展示するだけでは、文化というより文化遺産の美術館になってしまうと思っていました。文化を作っていくためには、北斎の作品から新しい作品が派生する可能性を探っていきたい。2024年の「北斎×現代アーティスト」企画では、北斎館から新たな作品が生まれましたが、その第1弾だと思っています。

北斎館の企画展のために制作されたアート作品。給田麻那美 作


―次のステージに向けた挑戦がすでに始まっているのですね!

市村:いまがまさに第二段階の序の口ではないかと思います。北斎館の目的としてもう一つ大切なのは、研究機能です。それは北斎館内だけでなく、海外とのネットワークも含みます。今年の夏にはイギリス・セインズベリー日本藝術研究所と連携した企画を予定しています。世界の北斎研究の拠点として、北斎館も人材のインキュベーターになってほしいですね。

取材日にも外部の研究者を招き、版本の撮影が行われていました。


―ありがとうございます。次回も引き続き、北斎館の新しい取り組みについてお話を伺っていきたいと思います。


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カテゴリー:スペシャルインタビュー

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