北斎も描いた鎌倉時代の魅力とは | 信州小布施 北斎館

北斎も描いた鎌倉時代の魅力とは2022年9月23日

 NHKで放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」によって、源頼朝らが生きた時代に注目が集まっています。
栄華を極めた平氏が滅び、源氏によって本格的な武家政権が始まった激動の時代。そこには数々のドラマが生まれ、これまでにも繰り返し作品の題材として描かれてきました。

実は、若き日の北斎も源平合戦の様子を描いています。「浮繪一ノ谷合戦坂落之図」は有名な一ノ谷の戦いを描いた作品です。

浮繪一ノ谷合戦坂落之図


断崖から駆け下りる源氏の兵に対し、慌てて逃がれようとする平氏の兵。遠近感をもたせて城壁を描き、広大な砦が築かれているように見せています。この奇襲が、そんな広大な砦さえも陥落させてしまう大胆な作戦だったことが感じられます。

一方、この奇襲を率いた源義経も、後に兄の頼朝から追われる立場に……。
その義経に愛され、義経と別れた後、頼朝に捕らえられたのが静御前です。悲劇のヒロインとして描かれることが多い静御前は、白拍子だったといわれています。

白拍子


 白拍子とは、男装姿で歌いながら舞う女性のこと。北斎が描いた「白拍子」も、金色の烏帽子や緋色の長袴を身に纏い、腰には大太刀を差し、凛々しい姿をしています。
この絵は、一説によると義経との別れの後、鶴岡八幡宮で頼朝・政子を前に「吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき」と義経を恋い慕う歌と共に舞ったという静御前をモデルにしているとも考えられています。

これらの作品は開催中の企画展「秋のお宝大放出 ―北斎館名品展―」でご覧いただけます。ぜひ作品を見ながら、歴史の中のドラマに思いをめぐらせていただければと思います。

秋のお宝大放出―北斎館名品展―
▼会期:2022年9月3日(土)~2022年11月13日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:なし(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)


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