企画展「多彩・繊細 摺物の世界」開催中!2020年2月7日
お久しぶりです、学芸員のWです。
小布施は急に冷え込み、昨日は少し雪が降りました。
皆さんのお住まいの地域はいかがでしょうか。
さて、本日は、現在開催中の企画展「多彩・繊細 摺物の世界」のお知らせをしたいと思います。
「摺物」とは、江戸時代に裕福な商人などの中で流行した、高価な木版画のことです。
お正月や春の節句など、季節の節目に仲間内で配られました。
今で言うならば年賀状のようなものでしょうか。
摺物は販売を目的として作られるものではなかったため、採算を度外視した豪華な作品が生まれることとなりました。
当時の人気絵師に作画を依頼し、腕のいい彫師や摺師に制作を依頼していたといわれる摺物は、繊細で高度な技術が多く用いられています。
例えばこちらの「夢見る女」、画像では分かりにくいですが、着物や花の部分が少し光っています。これは、光に反射してきらきらと光る雲母粉(きららふん)を使った「雲母摺(きらずり)」という技法が用いられています。
髪の毛の部分などの彫りも細やかで、当時の彫師や摺師の技術の高さが窺えます。
この他にも、本企画展ではきらびやかな作品が多数展示されています。
実物をご覧になると、摺物の美しさをよりお楽しみいただけるかと思います。
寒い日が続き、お出かけするにも中々大変な時期ではありますが、当館の所蔵する貴重な摺物がたくさん展示されていますので、是非見に来てください!
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