多彩な技法が生み出す 花鳥版画の名品 | 小布施 北斎館

多彩な技法が生み出す 花鳥版画の名品2026年9月25日

 北斎館では、北斎館50周年記念特別展「ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に」を開催しています。本展では、アメリカの実業家ジョン・D・ロックフェラー・ジュニアの妻、アビー・オルドリッチ・ロックフェラーの貴重なコレクションから厳選した花鳥版画の名品約160点をご覧いただけます。今回は、その作品の一部をご紹介します。

「秋海棠に蝶と猫」無款(鈴木春信)

「秋海棠に蝶と猫」無款(鈴木春信) RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.


 晩夏から秋にかけて咲く秋海棠(しゅうかいどう)という花に寄ってきた2匹の蝶。その蝶を、好奇心にあふれる目で見つめる猫が描かれています。猫の輪郭や毛並みは、絵の具をつけずに強い力で摺って凸凹だけで表すきめ出しの技法が用いられています。署名はありませんが、人気絵師の一人であった鈴木春信の作といわれています。

「雌雄鶏図」伊藤若冲

「雌雄鶏図」伊藤若冲 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.


 こちらは江戸時代に上方を中心に活躍した伊藤若冲の作品です。現在、存在が確認されている唯一の版です。鶏を描くことを好み、庭に数十羽の鶏を飼っていたという逸話のある若冲。その若冲らしいユーモアを感じさせる鶏の姿が表されています。本作には、ステンシルのように型紙を用いる「合羽摺(かっぱずり)」という技法が用いられています。江戸では、バレンを用いて多色摺りを行う錦絵が主流となりましたが、上方ではこの合羽摺が長く用いられていました。

 多彩な技法を用いて描かれた美しい作品の数々を、ぜひ会場でお楽しみください。9月19日(土)、9月21日(月・祝)、10月4日(日)は、いずれも14時から学芸員によるギャラリートークを開催します。入館券をお持ちの方はどなたでもご参加いただけます。皆さまのお越しをお待ちしています。


北斎館50周年記念特別展 | ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン美術館所蔵 ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に
Bird-and-Flower Prints from the Abby Aldrich Rockefeller Collection of the RISD Museum: Featuring Hokusai and Hiroshige

▼会期:2026年8月8日(土)~10月12日(月)
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:一般 1800円/大学生 高校生 800円/小中学生 500円
▼休館日:なし※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。

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