進化する浮世絵 明治を代表する絵師たち | 小布施 北斎館

進化する浮世絵 明治を代表する絵師たち2025年9月12日

 北斎館では「知られざる秀逸コレクション 東京・足立区立郷土博物館所蔵浮世絵名品展」の第4期「明治から昭和へ」を開催しています。今回展示しているコレクションの中核となるのは、松方三郎の旧蔵品。松方三郎は、大正から昭和にかけて活躍したジャーナリスト・実業家です。戦後、共同通信社や日本放送協会で要職を務めるなど、メディア界で活躍しました。

 実は、アートのコレクターとしては、兄である松方幸次郎が有名です。兄の幸次郎が収集した美術品は「松方コレクション」として、国立西洋美術館設立の契機となりました。その兄と比べると、弟の松方三郎のコレクションは知られざる存在かもしれません。しかし、そのコレクションには見応えのある作品がそろっています。

小林清親「川口善光寺雨晴」


 第4期で最も多くの作品が展示される小林清親は、光と影に強く関心を寄せた明治期を代表する絵師です。幕末に幕臣として鳥羽伏見の戦いに参戦したものの、明治時代になって独学で画業を始めたという経歴の持ち主です。

 夕焼けに染まる荒川の船渡し場。対岸には、江戸時代には観光名所だったものの、廃仏毀釈によって明治時代に廃れてしまった川口善光寺が見えます。雲の隙間から差し込む夕陽と共に、雨上がりの湿気を含んだ空気感を見事に表現しています。

小原古邨「柘榴と鸚鵡」


 作者の小原古邨は、明治後期から昭和にかけて活躍した絵師です。大正時代に、浮世絵の技術を用いて木版画を作る「新版画」という新しい木版画運動が始まりした。その新版画に取り組んだ古邨は、近年再評価され、注目を集めている画家の一人です。様々な作品が含まれる松方三郎の旧蔵品の中で、その多様性と先見性を象徴する存在といえます。

 こちらは、ワルシャワで開催された国際版画展覧会に出品された作品です。背景は黒一色に見えますが、摺跡を残す手法で表情豊かに摺られています。また、オウムの羽根1枚1枚にも空摺りが施されています。細部の質感まで表現する高度な刷りの技術を、ぜひ会場でお楽しみください。



「知られざる秀逸コレクション 東京・足立区立郷土博物館所蔵浮世絵名品展」
▼会期:2025年5月24日(土)~2025年6月22日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,500円、大学生 高校生700円、小中学生500円、小学生未満 無料
▼休館日:会期中無休
※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。

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