担当学芸員にきく、 特別展の見どころ | 小布施 北斎館

担当学芸員にきく、 特別展の見どころ2025年8月8日

 北斎館では特別展「知られざる秀逸コレクション 東京・足立区立博物館所蔵浮世絵名品展」を開催しています。明日からはいよいよ第3期「歌川派の全盛」が始まります。今回は、この特別展を担当する学芸員の櫻井貴基さんにおすすめの作品などを伺いました。

―そもそも、なぜ北斎館で今回の特別展が開催されるに至ったのですか?
櫻井:この夏、北斎館開館50周年記念事業のひとつとして、フランスのナントで北斎館のコレクションをご紹介する展覧会が開催中です。所蔵作品の多くがフランスで展示されている期間であっても、北斎館で浮世絵を楽しんでいただくことはできないかと考え、安村館長にご紹介いただき、今回の特別展が実現しました。

―今回の特別展の見どころを教えてください。
櫻井:今回は4期にわたって、多彩な浮世絵作品をご紹介します。松方三郎の旧蔵品を中核に、浮世絵初期から明治・大正まで年代も幅広く、浮世絵の歴史を知る上でも有用なコレクションとなっていると思います。


―櫻井さんのおすすめの作品はありますか?
櫻井:こちらは、第3期に展示する作品です。満点の星空の下、隅田川沿いの堤を芸者さんが歩いています。画面の左端に見えているのは、付き人が持つ提灯の一部です。人物を側面からとらえたり、あえて中心からずらして配置したりしています。そこから生まれる、一瞬の光景を切り取ったような独特の緊張感が面白い作品だと思います。

歌川広重「名所江戸百景 真乳山山谷堀夜景」


―お座敷に向かう芸者さんの下駄の音まで聞こえてきそうな作品ですね。
櫻井:そうですね。もう1点は、おそらく先ほどの作品を元にして、明治時代に同じ場所を舞台に描かれた浮世絵です。こちらでは、女性が後ろで何かが起きたことを察して振り返っています。第4期でご紹介する作品です。

昇斎一景「東京名所三十六戯撰 隅田川」


―2つの作品を見比べてみても面白いですね。最後に、お土産などにおすすめのグッズがあれば、教えてください。
櫻井:北斎館オリジナルのブックカバーはプレゼントにおすすめです。私も使っているのですが、和紙の風合いが良く、本を読んでいても手に馴染む感じがします。


【北斎館特製】和紙製 ハンドメイドブックカバー(怒涛図 男浪図)


―デザインも素敵ですね。お話をきかせていただき、ありがとうございました!



「知られざる秀逸コレクション 東京・足立区立郷土博物館所蔵浮世絵名品展」
▼会期:2025年5月24日(土)~2025年6月22日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,500円、大学生 高校生700円、小中学生500円、小学生未満 無料
▼休館日:会期中無休
※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。

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