北斎と鴻山、 それぞれが描いた菊 | 信州小布施 北斎館

北斎と鴻山、 それぞれが描いた菊2024年9月27日

  開催中の企画展「北斎の植物図鑑」では、北斎が描いた様々な植物をご紹介しています。展示室を進んでいくと、ひときわ目をひくのが、菊の花を描いた掛け軸です。
 晩年の北斎が描いた「菊」は、双幅に仕立てられた作品です。画面いっぱいに豪華絢爛な菊の花がひしめき合い、生き生きとした生命力が感じられます。

北斎の肉筆画「菊」


 さらに今回の企画展では、北斎の「菊」の隣に、北斎の門人であり、北斎を小布施に招いた高井鴻山の「菊」の作品も展示しています。こちらは、色とりどりの菊の中に、桔梗や蘭といった花が描かれています。二つの作品を並べてみると、鴻山が師である北斎の絵に学びつつ、オリジナリティを加えたのではないかと推測することができます。

高井鴻山の「菊図」


 古くから日本で愛されてきた菊の花。江戸時代には様々な品種の菊が育てられていたといい、北斎や鴻山にとって身近な植物であったのかもしれません。北斎の代表作である『北斎漫画』の中にも菊のスケッチが見られます。一方、鴻山も多様な植物を好んでスケッチしていて、中でも菊のスケッチが多く存在しています。これらは鴻山が肉筆画の構想を練りながら描いたものかもしれません。

「鴻山画稿集」に見られる菊のスケッチ


 師匠と弟子、それぞれの作品を一度にご覧いただけるこの機会を、ぜひお楽しみください。


「北斎の植物図鑑」展
Hokusai’s Botanical Atlas
▼会期:2024年9月4日(土)〜2024年11月10日(日)まで
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:大人1,000円、高校生500円、小中学生300円、小学生未満 無料
▼休館日:会期中無休
(※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。)

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