この夏、北斎館で新たな取り組み | 信州小布施 北斎館

この夏、北斎館で新たな取り組み2024年9月4日

 暑い日々が続いた夏、皆さんはいかがお過ごしでしたか? 北斎館では新しい挑戦が重なり、全力で駆け抜けた夏になりました。今回は、その取り組みの一部をご紹介したいと思います。

 7月1日からイギリス・ノリッジで北斎館とセインズベリー日本藝術研究所の共同企画展が開催されました。この企画展では、北斎が信州小布施町に滞在しながら描いた祭屋台天井絵や「岩松院本堂天井絵鳳凰図」などの作品を、高精細複製画にして展示、ご紹介しました。今回の複製作品は、高度なスキャニング技術やデジタル複製技術によって製作されており、本物と見分けがつかないほどの仕上がりになっています。

ノリッジでの企画展の様子


 今回の会場の一部は、靴工場跡を利用したギャラリー。美術館とは異なる環境では貴重な作品を展示することが難しいのですが、複製であれば限りなく本物に近い作品を楽しんでいただくことができます。一方、美術館ではないので展示に使える壁が少なく、展示の仕方に苦労する場面も……。

掛け軸の展示の仕方に頭を悩ませました


 開催期間中は現地の人たちでにぎわい、「北斎がこんな絵も描いていたなんて知らなかった」「今回をきっかけに日本文化にも興味がわいた」といった嬉しい声が寄せられました。

 さらに8月には、北斎館にキッズルーム「水戸久斎」がオープンしました。デザインは、JR九州の寝台列車「ななつ星」や駅舎などを手掛けてきた水戸岡鋭治氏。空間設計は、東京おもちゃ美術館など子どものための木質施設づくりに多くの実績がある砂田光紀氏が担当しました。

館内のラウンジを改装してできたキッズルーム


 冨嶽三十六景に描かれた場所をまわるような感覚で遊ぶことができたり、北斎漫画が立体的に再現されていたり……子どもはもちろん、付き添いの大人の方もワクワクするような空間に仕上がりました。空間内の北斎作品は、イラストレーターでもある水戸岡さんによって鮮やかな着彩が施され、目を楽しませてくれます。ぜひお子さんと一緒に、新しい北斎の世界を体験してみてください。



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