北斎晩年の読本傑作を展示! 北斎流「劇画釈迦伝」開催!2020年12月4日
こんにちは、学芸員Nです。
私が北斎館勤めとなって何度目でしょうか。
今年もあの季節がやってまいりました…。
少し片づけてこの状況、ここ最近は早朝の清掃はこれにつきっきりです。
作業中、ふと神託が聞こえた気がしました。
「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし~、失われし大地(芝)との絆を結び~(以下略)」
※某Ωのでるアニメより
…私の作業服は青です。
前置きが非常に長くなりました。
本題に入りましょう。
11月21日(土)から北斎館冬の企画展 北斎流「劇画釈迦伝」が開催されました。
北斎が86歳の時に発行された読本『釈迦御一代記図会』を取りあげた展覧会となっています。
この読本の挿絵を北斎が担当し、全6冊のうち見開き29図の挿絵を描いています。
北斎が読本を主に手掛けるのは40代半ば以降の「葛飾北斎」と名のっていた時期なので、晩年に発行された本書はまさに隠れた逸品とみることができます。
では「劇画釈迦伝」てなに?となりますが、文字通りお釈迦様の生涯を記した内容で画中には昭和30年代にブームとなった劇画調の挿絵を見ることができるからです。
たとえば
とか
とか(この2人はいちおう人です)
このようなリアリティのある描写は見るものに緊張感と作中に引き込む魅力があります。
お話は1~3巻がお釈迦様が主人公、4~6巻がお弟子さんやお釈迦様とご縁のある人々のお話となっていて、ちょっと変わった内容となっています。
でもよく知られる祇園精舎や入滅の様子などがでてきます。
展示室はでそれぞれの巻の概要を紹介したうえで挿絵をご覧いただけるようにしています。
壁面の一部はフォトブースを設けています。
また隣接の展示室2では北斎の神仏悪鬼羅刹を集めた展示も行っていますので、今回の展示は人よりも神仏、鬼がたくさん展示された特殊な内容となっていますね。
より深く知りたい方はぜひ2021年1月17日(日)までに当館をご訪問ください。
(2020年12月31日は休館、2021年1月1日は10時~15時の時短営業です)
なお、ここだけの話、本展に合わせて特別商品を用意しています。
売店限定商品となりますので、ぜひお立ち寄りください。
以上、展覧会紹介でした。
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