北斎と広重の花鳥版画 涼を届ける、団扇絵の名品 | 小布施 北斎館

北斎と広重の花鳥版画 涼を届ける、団扇絵の名品2026年8月28日

 暑さの厳しい日々が続いていますが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。江戸時代の人々は、暑さを和らげ涼を得るために団扇を愛用していました。団扇の骨に貼るために製作された浮世絵版画は「団扇絵」と呼ばれます。団扇絵は人気絵師が手がけることも多く、一枚絵にも引けを取らない見応えのある作品が描かれています。

「露草に鶏」葛飾北斎 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.


 涼しげな藍色を背景に、眼光鋭い雄鶏と雌鶏が身を寄せ合っています。背景の藍色と、とさかの赤色の対比が鮮やかです。よく見ると、雌鶏の体の上には1羽、下には2羽の雛がいます。雄鶏の尾は、雌鶏と雛たちを覆うように大きな弧を描いています。団扇の形を意識した、見事な構図にもご注目ください。

「燕のことろ遊び」歌川広重 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.


 こちらは、燕たちが「ことろ遊び」に興じる様子を描いたユーモラスな作品です。ことろ遊びとは、列の最後尾の者が鬼に捕まらないように逃げる遊びです。鬼役の燕と向かい合う先頭の燕は、両翼を広げ、後ろに続く燕たちを守ろうとしています。擬人化された燕たちの表情や仕草が、なんとも愛らしい作品です。

 今回ご紹介した作品は、北斎館で開催中の特別展「ロックフェラー・コレクション 花鳥版画展 北斎、広重を中心に」でご覧いただくことができます。消耗品のため現存数の少ない団扇絵ですが、アビー・ロックフェラーのコレクションには状態の良いものが30点ほど確認されています。貴重な団扇絵をはじめとした美しい花鳥版画の数々を、ぜひ会場でお楽しみください。


北斎館50周年記念特別展 | ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン美術館所蔵 ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に
Bird-and-Flower Prints from the Abby Aldrich Rockefeller Collection of the RISD Museum: Featuring Hokusai and Hiroshige

▼会期:2026年8月8日(土)~10月12日(月)
▼開館時間:午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで)
▼入館料:一般 1800円/大学生 高校生 800円/小中学生 500円
▼休館日:なし※臨時休館がある場合は別途ご案内をいたします。何卒ご了承くださいませ。

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