2022年9月3日(土)→11月13日(日)
3 September (Sat) - 13 November (Sun) 2022
概要Overview
昭和51年(1976)11月、長野県北部の町に小さな美術館が開館しました。その美術館は葛飾北斎の専門美術館として「北斎館」と命名され、現在では「栗と北斎と花の町 小布施」を称する小布施町の象徴となる美術館になりました。
北斎が初めて小布施を訪ねたのは天保13年(1842)といわれています。小布施の豪商であり門弟の高井鴻山を訪ねた北斎は、当時印半纏に麻裏草履で職人のような恰好だったといいます。鴻山はそんな北斎を暖かく迎え入れ、後に碧漪軒というアトリエを設けて北斎の制作活動を支えました。理想的な環境の中で、北斎は東町・上町の祭屋台天井絵をはじめ、小布施で多くの肉筆画を制作したといわれています。
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上町祭屋台天井絵「男浪」
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上町祭屋台天井絵「女浪」
「富士越龍」
北斎館は開館以降、肉筆画を中心に年々所蔵品を増やしてきました。中でも最晩年の名品「富士越龍」は北斎亡きあと、鴻山が入手したのちに転々とし、北斎館が海外から買い戻したという里帰りの作品です。雄大な富士と駆け上がる龍の姿から北斎自身を照らし出した作品とも考えられる逸品です。また肉筆画だけでなく「冨嶽三十六景」や『北斎漫画』などの所蔵作品は、今日の世界的な評価からお宝といっても過言ではありません。
本展では北斎館がこれまで蒐集してきた肉筆画や版画、版本などの作品群から名品とされるものを一堂にご紹介します。半世紀近い歴史をもつ北斎館の名品をぜひこの機会にご覧ください。
東町祭屋台天井絵「龍」
東町祭屋台天井絵「鳳凰」
- English
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Introduction
Dedicated to the work of Katsushika Hokusai, the Hokusai-kan Museum opened in Obuse—a small town in northern Nagano Prefecture—in November 1976. Today, the museum has become a symbol of the town, which prides itself on its chestnuts, its flowers, and its association with Hokusai.
Title List
Hokusai is thought to have first visited Obuse in 1842 when he called upon Takai Kōzan, a wealthy local merchant who was also one of his painting students. Wearing a workman’s livery coat and straw sandals, Hokusai was welcomed warmly by Kōzan, who prepared studio space where the artist could work. Provided with an ideal environment in which to pursue his creative efforts, Hokusai produced numerous paintings in Obuse including the ceiling panels for the Higashi-machi and Kan-machi festival carts.
The Hokusai-kan Museum has continued to add to its collection over the years, focusing its efforts on paintings. Some items were purchased from overseas and returned to Japan, such as Dragon Flying over Mount Fuji (Fujikoshi no ryū), which Kōzan acquired after Hokusai’s death and laterbefore passinged through the hands of a number of owners. Depicted ascending a magnificent Mount Fuji, the dragon in this masterwork is often thought to represent Hokusai himself. In addition to paintings, the museum’s collection also includes works such as Thirty-Six Views of Mount Fuji (Fugaku sanjūrokkei) and Random Drawings by Hokusai (Hokusai manga) are now recognized as treasures around the world.
We hope you enjoy this exhibition of the finest works from among the paintings, prints, and block-printed books collected during the nearly half-century history of the Hokusai-kan Museum.
観賞のポイントHighlights
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「富士越龍」
北斎館所蔵のお宝を多数展示
葛飾北斎専門美術館として多くの作品を所蔵する北斎館。その中でも名品とされる作品を展示します。北斎の絶筆ともいわれている「富士越龍」や彩色豊かな「菊図」。長野県宝にも指定されている東町・上町祭屋台の天井絵など、貴重な作品を一同に観覧できるのは年に一度、この機会だけ!
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『絵本彩色通』獅子
バリエーション豊かな
北斎の作品を鑑賞北斎といえば「冨嶽三十六景」などの風景版画が有名。ところが生涯で3万点もの作品を描いたという北斎は版画だけでなく本の挿絵や摺物など、さまざまなジャンルの作品を残しています。いろいろな種類の作品を楽しめるうえ、北斎の書状や絵師として活動した娘、応為の作品などもご覧いただけます。
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柳川重信「仮名手本忠臣蔵 十段目」
北斎じゃないお宝もご紹介
実は北斎以外の作品も多数所蔵している北斎館。弟子の作品や当時の浮世絵師の作品なども所蔵しています!今回はこれまで展示する機会のなかった作品も交えながらご紹介します。
イベントEvent
秋の特別講演会「北斎館の名品」
講師:館長 安村敏信
◆10月8日(土)14:00〜
定数:30人
予約不要・先着順
葛飾北斎筆肉筆画や版画、
貴重な摺物など所蔵名品の数々について
北斎館館長安村敏信がご紹介します。
学芸員による
ギャラリートーク
◆第一回: 9 月24日(土) 14:00~
◆第二回:10月22日(土)14:00~
(一時間程度)
※ご参加いただくには、入館料が必要です。※新型コロナウイルスの感染状況により内容が変更になる場合があります。詳しくは北斎館ホームページをご覧ください。
展示作品
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信州小布施 北斎館The Hokusai-kan Museum
長野県上高井郡小布施町大字小布施485
485 Obuse, Obuse-machi, Kamitakai-gun, Nagano-ken 381-0201
TEL: 026-247-5206 FAX: 026-247-6188
開館時間/Hours |
午前9時~午後5時(ご入館は午後4時30分まで) |
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入館料/Admission |
大人1,000円/高校生500円/小中学生300円 |
駐車場/Parking |
北斎館駐車場(北斎館に隣接) |
アクセス/Access |
●電車ご利用の場合 ●車でお越しの場合 ●By train ●By car |