曲亭馬琴と葛飾北斎2018年12月6日

皆さんこんにちは。学芸員のKです。

12月になり、朝は霜がおりるほど寒くなってきました。私は家に帰るとこたつの番人です。北斎もよくこたつ布団を頭まで被って絵を描いていたそうです。あったかそうですね。

 

さて、12/1(土)から始まった「アッと驚く 読本挿絵の世界」では、葛飾北斎が挿絵を描いた読本(よみほん)の展覧会を行っています。

読本とは、江戸時代に流行した絵入りの小説です。
当時は様々な種類の読本がありましたが、奇談や怪談などのジャンルの小説も庶民の間で人気となり、いろいろな物語が登場しました。江戸の町に存在した絵草紙屋にはたくさんの読本が並び、江戸庶民に愛されていました。

 

 

絵草紙屋とは、江戸時代にあった現代でいう書店のような店で、当時人気だった読本や御伽草子などをはじめ、役者絵や風景画などの浮世絵も売られていたといいます。

 

北斎は曲亭馬琴や柳亭種彦など、当時の人気作家が書いた読本に多くの挿絵を描きました。

 

そこで、今回の展覧会で取り上げている2作品の著者である、曲亭馬琴と北斎の関係についてご紹介したいと思います。

 

数多くの作品でタッグを組んだ馬琴と北斎でしたが、両方とも頑固者で、北斎が描いた挿絵に関して議論になるなど衝突が絶えなかったそうです。

 

二人の関係を語るうえで有名な逸話があります。

 

文化九(1812)年刊行予定の『占夢南柯後記』(ゆめあわせなんかこうき)で、登場人物の口に草履をくわえさせるよう挿絵を指示する馬琴に対し、北斎はこう言いました。

 

「誰がこんな汚い草履を口にするものか。そんなに言うんなら、あんたがまずくわえてみたらどうだ。」

 

この一言に馬琴は激怒し、二人は絶交してしまったのだとか。

 

あくまで逸話ですが、頑固一徹という両者のイメージどおりのお話ですね。

 

この馬琴と北斎のコンビの作品、『そののゆき』と『新累解脱物語』をただ今展示しています。二人の関係もちょっと頭の隅におきながら作品鑑賞してみてくださいね。

 

 

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